このブログは、Step One DTM School川崎元住吉教室講師がお届けしていますが、今回は、少し当DTM教室が昨日のレッスンの中でご提案したレッスンカリキュラムをご紹介したいと思います。

当DTM教室のアレンジレッスンの進め方

既に、当DTM教室にお越しいただいて1年ほど経つ方。
レッスンペースは、お仕事が忙しい社会人の方なので、月1回程度となります。
通常、Step One DTM School川崎元住吉教室でご対応しているDTM/DAWソフトは、Cubase,Pro Tools,Logic,Digital Performerなのですが、この方は、Sonar Studio 8をお使いのため、レッスン受講時は、いつもご自身のWindows PCをお持ち込みいただいてのレッスンとなります。
さて、昨日約10回のレッスンを経て、当DTM教室で1曲めでたく完成しました。
経緯をお話ししますと、元々、当DTM教室に持ち込まれた段階で、ある程度曲は出来上がっていました。
内容は、打ち込みでドラムとベース。ギター2パートとボーカルが生演奏という状況。
ご希望のレッスン内容は、「アレンジとミックスのやり方が我流だから、きちんと学びたい」というものでした。
そこで、私がお持ち込みいただいたオリジナル曲を聴いて思った改善点を挙げていきました。
  • リズムアレンジが単調に感じる
    • ドラムのパターンとベースのパターンがほとんどコピペなので、既に作ってあるリズムパターンを元にバリエーションを作る必要がある
    • バンドサウンドのアレンジは、フィルインやキメ、ブレイクがないとどうしても単調になってしまうので、そういったリズムアレンジ面での仕掛けを作る必要がある
    • ギターとベース、ドラムの縦が合っていない。グルーヴ(ノリ)が合っていないので、ギター弾き語りで曲が出来上がった経緯を考え、ドラムとベースをギターに合わせていく
  • フレーズとフレーズがぶつかっている(所々に不要な2度の関係になる音がある)
    • 重ねられているギター2本のうち、片方のギターパートを残し、もう片方のギターはぶつからないように合わせていく必要がある
  • ギターの音作りがあまり良くない
    • Sonar Studio 8に付属するギターアンプシミュレーターをかけてギターをライン録りしていたようなのですが、LINE6 Podがあるとのことなので、そちらで音作りをしてレコーディングすることを提案
    • TREBLEを上げ過ぎていて、少し耳が痛い音になっているので、中低音域が埋まるような音作りをすることを提案
まずは、上記の点を数回のレッスンに分けて、1個ずつ解決してきました。
さらに、キーボード演奏が苦手だけど、冨田ラボ的なキーボードを入れていきたいというご希望をいただいたため…
  • ギタリストにムリのないカンタンなキーボードアレンジ
    • エレピのボイシング(コードの弾き方)
    • オルガンのボイシング(フレーズの作り方)
    • シンセの音色選びとフレーズの作り方
これも、数回のレッスンに分けて、1個ずつお教えしています。
最後にミックスへと続きます。

当DTM教室のミックスレッスンの進め方

当DTM教室では、基礎からミックスを学びたいという方には、以下のような順番でレッスンを進めています。
  1. エフェクトを使わずパンとフェーダーだけで、一般的な各楽器パートのバランスを学ぶ
  2. EQのパラメータ説明
  3. 各楽器のEQポイント
  4. コンプレッサーのパラメータ説明
  5. DTM初心者がコンプレッサーの本当の役割を学ぶためのセッティング2パターンを使い分ける
  6. リバーブとディレイの使い方/センドとリターンの使い方
  7. マキシマイザーを使っての音圧上げ/簡易マスタリング
ミックスの基礎は、だいたいの方が計4回のレッスンでお教えしていくことが多いものになります。
特に、今回この方がお使いのSonar Studio 8は、やはり廉価版のDTM/DAWソフトということもあって、結構ミックスダウンで使いたいエフェクトが入っていなかったり、クオリティーがあまり高くないエフェクトであったり…と、なかなか思うようにいかないところもありました。
しかし、WindowsでDTM/DAWを使う強みは何と言っても、フリーウェアのVSTプラグインがたくさんあること!!
特に,入門者向けのDTM/DAWソフトには、手軽に音圧上げが出来るマキシマイザーや初心者がミックスダウンを行うにあたって心強いメーター系プラグインが付属しないことが多いので、Sonalksis Free Gや、WAVES L1を模したW1 Limiterといった「使えるフリーのVSTプラグイン」を活用するのは重要です。
そういったフリーウェアのVSTプラグインを活用しながら、ミックスダウンは順調に進み…これでめでたく完成!!
おめでとうございます!!

今後のレッスン方針をカウンセリング

結果、こうやって無事1曲を完成させたわけですが、ここからカウンセリングが始まります。
生徒さんからは、「すごく勉強になったけど、もっと曲を完成させるスピードあげたい…特にアレンジのスピードを上げたい。思うに音楽理論を勉強した方が良いんじゃないか」というお話があり、ここから私はレッスン方針を考えていきます。
まず、既にギター弾き語りでメロディーとコード進行を作ることが出来る場合、0から音楽理論をやるのはあまり効率的ではありません。
しかし、アレンジが迷わず出来るようになるためには、どうしても音楽理論は避けて通れません。
そこで、以下のプランをご提案し、生徒さんにもご納得いただきました。
実際に、お互いの確認のために文章に起こしたものを転載します。

ギター弾き語りで作曲出来る方へのバンドアレンジレッスンプラン(転載)

【目的】曲を早く作れるようになりたい

【具体的なレッスン】

アレンジの話をスムーズに進めるにあたって…

  • テンション(♭9th,9th,♯9th,11th,♯11th,♭13th,13th)について
  • ダイアトニックコードに使えるテンションパターン
  • コードとメロディーの関係
  • 既存曲メロディー分析
  • テンションコードを使った曲作り

という、「フレーズがぶつかる/ぶつからない」について理論的な勉強を行います。
続いて、具体的なアレンジに進みます。

  • 楽器知識
    • 4リズムと呼ばれる、ギター、ベース、キーボード、ドラム、それぞれの奏法/よく使われるフレーズについて学びます。
  • アレンジの設計図作り
    • 最近、アレンジでお困りの方々にお教えしていてうまく行っている方法なので、オススメです。
  • 4リズムアレンジ
    • メロとコード(ギター?)だけの弾き語りの状態から仮ギター→ドラム→ベース→キーボードの順にアレンジしていきます。
    • これは、今日完成した曲でもやってきたことでもありますが、基礎から一緒にやるか、添削という今までの流れでやるか、ご相談の上決めましょう。
  • 上モノ(ストリングス/ブラス/シンセ系)アレンジ
    • テンションやコードとメロディーの関係、さらに、短2度等の音程の話がわかっている状態だと、より突っ込んだお話が可能になります!!

以上が、具体的にご提案したレッスンプランです。

さぁ、今後どのようにパワーアップした楽曲が出来るのか、当DTM教室講師も楽しみです。

さて、アレンジやミックスでお困り方、当DTM教室でたくさんの方が、おひとりおひとりに合ったレッスンカリキュラムで学ばれています。

どうぞ、Step One DTM School川崎元住吉教室の体験レッスンで、ご相談下さい!!