とうとう発売が開始されたCubase12。
私にとって、スタインバーグキー不要で起動出来ることと、Appleシリコン(M1チップ)のネイティブ対応に期待をしていましたが、M1 Max 32Core 64GBメモリ MacBook Pro 14inch 2021に早速インストールしてみました。
Rosetta2での対応であったCubase11 Proも、正直それほど不満があるわけではなく、Intel Macとは別次元のパフォーマンスをM1 Max 32Core 64GBメモリ MacBook Pro 14inch 2021で体験出来ていました。
そこで、Cubase12のAppleシリコン(M1チップ)のネイティブ対応によって、どれくらいパフォーマンスが上がったのかが気になって比較してみます。
Cubase12 Proインストールレビュー
こんなこと言うとオッサンになったもんだと思いますが、20年以上前でしょうか、Cubase VSTという名前だった時代がありました。
その頃はパッケージも青っぽい色だったような気がしまして…原点回帰というか、Steinbergの気合いを感じます。
それもそのはず。
Cubaseはずっとライセンスキー(ドングル)がないと起動出来なかったので、Steinberg的には画期的な変化であることをアピールしたいという意図を感じます。
ちなみに、Cubase VST5というバージョンだった頃、私はDigital Performerユーザーでした。あの頃はCubaseに乗り換えて17年間も使い続けるとは思わなかった…。
Steinberg IDでサインインすれば、認証OKというのがCubase12の進化ポイント。
Cubase11以前からのユーザーは、My SteinbergにログインするためのIDとパスワードがそのままSteinberg IDになるとのこと。
マニュアルも何も見ていませんので、あくまで推測ですが、Steinberg Activation Managerでライセンスの認証や解除を行う仕組みのようですね。
Cubase12は、1つのライセンスで3台まで同時にインストールが許可されているようです。
3台までインストール出来ればもう十分と言えますが、パソコンを修理に出したい時や、OSのクリーンインストールをしたい時にライセンス解除方法が分かりにくいと、新たな環境で再インストールするときにライセンス認証が降りなくて、サポートにメールという手間が起きます。
しかも、そのメールを英語で打たなきゃいけない…なんてケースもあるわけで、ホントにライセンスの認証と解除は面倒な手続きだったりしますが、Cubaseの場合はシンプルで良さそうですね。
スタインバーグキーの廃止によって、最初の認証プロセスは確かに変わりましたが、一度起動プロセスに入ってしまえば、Cubase11と大きく変わりません。
また、プロジェクトウインドウもパッと見はCubase11との違いがわかりませんね。
せっかくバージョンアップしたんだから、何か見た目にわかりやすい変化が欲しいという意見もあると思いますが、個人的には見た目はあんまり大きく変えなくても良いと思っているタイプ。
Cubaseは既に完成したDTM,DAWソフトだと思いますので、見た目をガラッと変えてしまうことの方が個人的にリスクだと思います。
Verveという新しいピアノ音源を試した
Cubase12 Proの新しいところで、Verveというピアノライブラリが追加されました。
ちなみに、新たなソフト音源が追加されたわけではなく、Halion Sonic SEのプリセットが増えたみたいなニュアンスです。
適当にプリセットを選んで演奏してみましたが、Feltという文字が目立つので、モコっとしたチルっっぽい音色が得意なのと、ピアノにパッドを足したようなプリセットや、エレピみたいなニュアンスのプリセットが多いです。
どちらかというと、トラックメイカーか劇伴BGM系の方が好みそうな方向かな…バキっとした抜けを求めるようなライブラリではなさそうです。
Cubase11 Pro VS Cubase12 Pro パフォーマンス比較
最後に私が気になっていたCubase12のAppleシリコンネイティブ対応。
いつもはCubaseのメジャーバージョンアップを即購入することはなく、ある程度バグフィックスが終わった頃を見計らって購入しますが、今回速攻アップグレードしたのは、私のM1 Max MacBook Proをフルで使い込みたいから。
比較は、同一のプロジェクトでミックスとマスタリングをきっちり詰めた完成データを同じ箇所で再生して、オーディオパフォーマンスメーターの振れ幅を見ることで行いました。
このプロジェクト、以前使っていたMacBook Pro 15inch 2018 Core i9 32GBメモリではもう重くて重くてしょうがなかったのですが、M1 Max MacBook Proに乗り換えた途端、スイスイ余裕で作業できるようになったものです。
実際比較してみると、Cubase11 ProとCubase12 Proで大きな差は感じませんでした。
Rosetta2がホントよく出来ているんだな…と関心します。
ただ、プロジェクトを開くときや閉じるときの待ち時間はCubase12 Proの方が早く、その点においてRosetta2のエミュレートで動いていたCubase11 Proよりもネイティブ対応しているCubase12 Proの方がアドバンテージがあるのかもしれません。
まとめ
Cubase12 Proは、出たばかりということもあって本記事公開時点のバージョンは12.0.0です。
Cubaseはいつも初期バージョンには何らかのバグがあるため、本格的に使い込むのは少なくとも1つや2つマイナーアップデートが入ってからの方が良いというのが、長年Cubaseユーザーをやってきた私の感覚です。
バグフィックスが進むと、今回のパフォーマンス比較ももっと体感出来るレベルになるかもしれません。
3/8深夜にはM2搭載のMacBook Proが出るとか噂されていますが、M1が出てから1年半以上でようやくCubaseもAppleシリコンに対応することになり、本当の意味でIntel Macを頑張って使う必要がなくなってきました。
Cubase12には、オーディオを解析してMIDIコードにしたり、VariAudioをスケールクオンタイズに対応したことによって、歌ってみたをやっているボーカリストが、大分本格的な音楽理論の知識なしにハモパートが作れるようになるのかな…と、Step One DTM School自由が丘教室にお越しの受講者様にとってメリットが大きそうなバージョンアップとなっています。
もう少しCubase12の新機能を試してみて、自分自身の制作はもちろん、受講者さまにお教え出来る様に準備していきたいと思っております。