DTMをしていると、「そろそろMacを買い替えようかな?」と思う瞬間がやってきますよね。そんな時に私が参考にしているのが、ベンチマークスコアです。
特にGeekbenchのスコアは、DTM用のMacを選ぶ上でとても重要な指標になります。本記事では、Geekbenchの基本と、シングルコア・マルチコアのどちらを重視すべきかについて、DTM講師の視点から詳しく解説します。
Geekbenchとは?
Geekbenchは、CPUやGPUのパフォーマンスを測定するベンチマークツールです。特にCPUスコアは、DTM作業の快適さに大きく影響します。
CPUスコアの見方
GeekbenchのCPUスコアには、
- シングルコアスコア(単一のコア性能)
- マルチコアスコア(複数のコアを同時に使用した性能)
の2種類があります。
DTMにおいては、シングルコアとマルチコアのどちらが重要かについて意見が分かれています。どちらを重視すべきかは、作業スタイルやプロジェクトの規模によって異なります。
DTMにおけるシングルコア vs. マルチコアの考え方
シングルコアスコアを重視する意見
- DAWの基本処理
- Logic ProやAbleton Liveなど、多くのDAWはシングルコア性能に依存している部分が大きい。
- オーディオ処理ではリアルタイム性が求められ、シングルコアの高速な処理が重要になる。
- プラグインの処理
- Waves、UAD、FabFilterなどのプラグインエフェクトは、基本的に単一コアで動作するものが多い。
- 例えば、Gate→Comp→EQ→Fader のような直列処理が必要な場合、シングルコア性能がボトルネックになりやすい。
- レイテンシー低減
- 低レイテンシーでの録音やリアルタイム演奏時には、シングルコア性能が特に重要。
マルチコアスコアを重視する意見
- 大規模プロジェクト向け
- 映画音楽やオーケストラ音源を扱う場合、マルチコア性能が高いと多数のトラックをスムーズに処理できる。
- KontaktやOmnisphereのような大容量音源を多用する場合は、8コア以上のCPUが推奨される。
- 並列処理
- 例えば、複数のトラックに異なるエフェクトを適用する場合、マルチコアの恩恵を受けやすい。
- リアルタイムのオーディオ処理では、各コアが分担して作業するため、マルチコアの効果が大きくなる。
- マルチタスク
- DTMをしながら動画編集をする、他のソフトを同時に動かすといった作業では、マルチコアのパワーが活きる。
バランスの重要性
私自身、実際にMacを使ってDTMレッスンを行いながら感じているのは、「シングルコアとマルチコアのバランスが大切」ということです。
また、専門家の間でも、シングルコアだけ、またはマルチコアだけを重視するのではなく、作業内容に応じたバランスが重要という意見が多いです。
- プロジェクトの規模や使用するソフトウェア、プラグインの種類に応じて適切なCPUを選択することが大切。
- 6コア以上のCPUが推奨され、クロック周波数やキャッシュサイズも考慮する必要がある。
- CPUとメモリのバランスも大事。特にサンプルベースの音源を多用するなら、メモリ容量にも注意したい。
Macを買い替えるタイミングでGeekbenchを参考にする理由
私自身、Macの買い替えを考える時は、まず最新モデルのGeekbenchスコアをチェックします。
「今使っているMacのスコアと、新しいMacのスコアを比べて、どれくらいの性能差があるのか?」
これを確認することで、本当に買い替える価値があるのかを判断できるんです。
例えば、
- M1 MacBook Air → M4 MacBook Pro の場合、Geekbenchのシングルコアスコアが大きく向上しているので、買い替えのメリットが大きい。
- M3 MacBook Pro → M4 MacBook Pro の場合、そこまで劇的な差がないなら、もう少し待ってもいい。
こういった判断基準が持てると、無駄な買い替えを防げます。
まとめ:シングルコアとマルチコアのバランスを意識したMac選びを
DTM用のMac選びでは、シングルコアとマルチコアのバランスを考慮することが大切です。Geekbenchを活用すれば、
✔ プラグインが快適に動くか
✔ 大規模プロジェクトでも耐えられるか
✔ 長く使えるモデルか
を冷静に判断できます。
Macの買い替えを考えている方は、ぜひGeekbenchスコアをチェックする習慣をつけてみてください!