Genelec 8331Aにして認識を改めたこと

Genelec 8331Aは同軸スピーカーなので、1点から音が出ます。これが縦置きにも横置きにも対応する理由でもあります。

しかし、これにより上側にツイーター、下側にウーハーという上下にユニット構成されている8330Aと少し勝手が違うんだなと思ったことがあります。

それは、シンセのプラックやハイハットなど、アタックがある高域寄りの楽器パートをミックスしようとした際、8330Aの時には物理的に上から聴こえるように帯域かぶりの処理やコンプ、EQの処理を行っていました。

物理的に上から聴こえるように…と私自身心がけていた理由というのは、ツイーターが上にあるからです。

ツイーターからちゃんと音が聴こえてくれば自分の処理は成功していると思っていたし、多くの人が普段のリスニングで使っているであろうAirPods Proなんかで確認するときも、「そうそう、その感じに音を配置したかった」なんて思えたので、自分の中で大切にしていた心がけだったのです。

しかし、これが8331Aにしてからその心がけが通じない。

当たり前ですが…1点から音が出ているので、物理的に上から聴こえるなんてことはないのです。

その代わり、高域の音が浮き上がって聴こえるという感覚のスピーカーなのが8331Aです。

だから、8331Aが8330Aのように鳴らないからダメだっていうことを言いたい訳ではなく、同軸スピーカーと付き合っていく上で、高域の捉え方はもう一度自分の中で認識を改めなければならないなと思いましたし、最初は慣れが必要でしたが、本記事を書かせていただいているのは、購入してからそこそこ時間が経っていて何も問題ありません。

そもそもこんな高額なスピーカーを買う必要あるの?

さて、そもそも今回レビュー記事として出させていただいた8331Aですが、値段も半端ないです。


ペアで611,600円という値段は私にとって勇気が必要だった…

8330Aの約3倍…つまり、8330Aだって相当良いモニタースピーカーなのに、これが2セットは確実に買えてしまう訳です。


さらに、8330Aについては、音響補正機能を使うためのGLM Kitがセットになっている値段に対し、8331AはGLM Kitが別売りです。

私は、8330AP GLM Studioを購入して使っていたため、新たにGLM Kitを買い足す必要がなかったため、モニタースピーカーさえペアで買ってしまえば、音響補正機能も使いながら8331Aを使うことができましたが、GLM Kitもこれがまた別売りで買い足すと高いのです…。

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なので、気になるのはコストパフォーマンス…こんな高額機材にコスパ言うのもどうかと思いますが…

個人的には、8331Aはやはりプロ機材だと思います。

実際、8331Aと8341Aで迷って、色々ネット上で情報収集も行いましたが、8331Aにしても8341Aにしてもレビューをされているのはプロの方です。

8330Aと8331Aの音質の開きは、8020Bと8330Aの開きほどは大きくなく、シビアに音をもっと追い込みたい、私なんかは海外のあの優れたミックスにもっと近づけていきたいなんていう願望があるので、8331Aを買って良かったと思っていますが、万人にはもちろんオススメしないし、高額機材は需要と供給のバランスを考えれば球数が出る訳でもなく、大量生産によるディスカウントは起きにくくなるので、コスパは悪いと断言出来るでしょう。

ただ、8331Aを検討されている方は恐らく既に価格で言うと10万円前後以上のモニタースピーカーを使われていると思います。

そういった方には、8331Aの空間表現能力は検討に値すると思いますので、ぜひGenelec信者の仲間入りをして下さると嬉しいです。

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