Session Playerやコードトラックの追加など、他のDAWをぶっちぎる魅力的な新機能が加わったLogic Pro 11ですが、実は様々な問題も発生しています。

特に、Logic Pro XをRosetta互換モードで使われていた方は、Logic Pro 11にアップグレードするにあたり、気をつけた方が良い点があります。

Logic Pro 11をRosetta互換モードで起動するとすごく時間がかかる

Logic ProをRosetta互換モードで起動している方はまだいらっしゃると思います。

というのもMelodyneでARAを使おうとした場合、Rosettaモードでの起動が必要だからです。

Rosettaを使用して開く
Rosettaを使用して開くオプション

その他、Appleシリコンネイティブサポートがされていないプラグインやソフト音源を使いたい場合もRosettaモードでの起動が必要です。

なお、私の環境1ではLogic Pro 11 Rosetta互換モードの場合、起動までに4分10秒かかります。さらに、Logic Pro 11のスプラッシュウインドウが表示されるまで3分36秒。

Logic Pro 11スプラッシュウインドウ
Logic Pro 11の起動時に表示されるスプラッシュウインドウ

スプラッシュウインドウが表示されるまでは、きちんと起動できているのかどうかもわからないまま、ただただ待つことになりますので本当にストレスです。

Logic Pro X(10.8.1)とLogic Pro 11を共存させて解決

DTM教室を運営するものとしては、今回のLogic Pro 11の新機能を活用して曲作りをしたいDTM初心者層も対応しなければならないし、様々なサードパーティのプラグインやソフト音源を活用して曲作りをしている中級者〜プロの生徒さんも対応しなければならないため、本記事執筆時点(2024/5/24現在)では、Logic Pro 11のみでレッスン対応をするのは難しい状況です。

そこで、Logic Pro X(10.8.1)とLogic Pro 11を共存させて、使い分けることは出来ないかと思い立ちました。

なお、Appleの英語版のコミュニティーには、Logic Pro X(10.8.1)とLogic Pro 11をTime Machineを使って共存させることに成功したという書き込みがありましたので、私なりに試してみました。

余談ですが、英語版コミュニティーに書き込むLogicユーザーはAppleに対してめちゃくちゃ怒っています…Appleは過去バージョンやレガシーなテクノロジーをバッサリ切ることで進化しようとする傾向がありますが、DTM/DAW関連のサードパーティの開発速度も他の分野に比べて遅いので…Appleだけの責任かというと難しいところもあると思いますが、皆さんはどう思われましたか?なお、プロのDAWユーザーはメジャーアップデートを速攻インストールするようなことはしませんので、怒っているのはアマチュアユーザーだとは思いますが…。DTM教室はアマチュアとプロの狭間に位置するので一番辛い立場です…。

Time MachineからLogic Pro X(10.8.1)を復元する

Time Machineでアプリケーションフォルダーを表示し、Logic Pro X 10.8.1を探し出し、復元ボタンをクリックする。

Time Machineでアプリケーションフォルダーを表示し、Logic Pro X 10.8.1を探し出し、復元ボタンをクリックする。
Time MachineでバックアップからLogic Pro X 10.8.1を探し出す

復元する際「両方とも残す」を選択

「拡張子が”.app”の、”Logic Pro”という名前の項目がすでにこの場所にあります。現在復元中の項目で置き換えますか?」というダイアログが表示されるので、「両方とも残す」をクリックする。

拡張子が".app"の、"Logic Pro"という名前の項目がすでにこの場所にあります。現在復元中の項目で置き換えますか?」というダイアログが表示
両方とも残すを選択で新旧バージョンが共存可能

Logic Pro X(10.8.1)とLogic Pro 11の両方が使える

Logic Pro(オリジナル)とLogic Proがアプリケーションフォルダに表示されます。Logic Pro(オリジナル)はLogic Pro X(10.8.1)になり、Logic ProはLogic Pro11になります。

新旧バージョンのLogic Proが共存している

私の場合、Logic Pro X(10.8.1)の方は今まで通りRosetta互換モードで、Logic Pro 11はAppleシリコンネイティブモードで使い分けることにしました。

Logic Pro 11のマイナーアップデートに期待

Logic Pro 11は、まだマイナーアップデートが1度も出ていないバニラ状態のため、恐らくバグフィックスがこれからなされていくことになろうかと思います。

ただ、Logic Pro 11の新機能を存分に使うためにはAppleシリコンネイティブモードでの起動が条件になるため、しばらくは裏技とも言えるLogic Pro X(10.8.1)とLogic Pro 11の共存技で凌ぐことになるのかなと思います。

なお、このやり方は深く使い込むと問題が発生するかもしれませんので、ご興味がございましたら自己責任でお試しいただけましたら幸いです。

当教室としてもこの状態でしばらく様子を見ながら使って行きたいと考えております。

  1. M1 Max 10コアCPU 24コアGPU 32GBモデル macOS Ventura 13.6.6環境 ↩︎