日本時間5/7 23時に開催されたAppleイベント。
今回の事前予想では新たなiPadが発表されるということでした。
Appleファンの私ではありますが、iPadに関しては既にiPad air 4とiPad mini 6の2台持ちで満足してしまっていたため、「まぁ…どうせ買わないけど…」と思っていました。
しかし、DTM/DAWユーザーに意外なアップデートの発表がありました。
Logic Pro 2とLogic Pro 11の発表です。
Drummerの進化版Session Players
Logic Pro Xだけではなく、GarageBandでも使えたDrummer。
作曲経験がないDTM初心者の方で、DAWにLogicを選ばれた方にお教えするときに本当に助かったのが、Drummerの存在でした。
AIがどうのこうのと話題になる以前から、ドラムのことが全くわからない方でも直感的な操作で、即戦力のドラムパターンを作り出してしまうDrummerは、DTM初心者の方にも反応が上々で、とても素晴らしい機能でした。
これがベース、キーボードにも及びます。
特に、ピアノを含むキーボードについては、楽器演奏が苦手な方にとって難しく、また、お教えする講師の立場から見ても演奏パターンのバリエーションが多彩過ぎるため、なかなかお教えするのに苦慮してきました。
私はメインプレイがキーボードということもあり、受講者さまから「どうやって弾いているんですか?」というご質問をいただくことが多く、私の演奏をリアルタイムレコーディングし、私の演奏データから解説をするというアプローチをとってきましたが、コードワーク、ボイシング、トップノートの動かし方、アルペジオ、リズムフィールと、演奏データからお教えすべきポイントが多く、説明が煩雑になりがちです。
これがLogic Pro 2のKeyboard PlayerやStudio Pianoで解決してしまうかもしれません。
待望のコードトラック
作曲経験がないDTM初心者の方がLogic Pro Xを選んだ際のデメリットは何か?
それは、CubaseやStudio Oneにあるコードトラックがないことです。
コードトラック機能は、コード構成音やコードボイシングの知識がない方でも手軽にコードバッキングを作っていくきっかけになる素晴らしい機能ですが、残念ながらLogic Pro Xには搭載されていませんでした。
コードトラック機能のメリットは、コード進行をプロジェクトにメモっていけること。
自分の曲をアレンジしているならまだしも、他人の曲をアレンジするときや、受講者様が作ってきたメロディーに私がコード付けを行い、データをお返しする際にコードトラックがないのは非常に不便。
Logic Pro Xでは、マーカー機能を無理やりコードトラックに見立てる方法しかなかったため、この点においてはCubase,Studio Oneの方が優れていました。
しかし、Logic Proにコードトラックが追加されたことにより、DTM初心者にとって心強い味方になることが期待されます。
Stem Splitterで楽曲をAIで分解
ステムスプリッターは、ミックスされたオーディオ録音のほぼすべてを、ドラム、ベース、ボーカル、そのほかの音源という4つに分けることが出来る機能です。
そもそも、このようなことはフリーのサイトで既に同様のサービスがありましたが、これがDAW標準の機能となることでDTM初心者の方にとって幅広く認知され、浸透していくことになるでしょう。
歌ってみたをやりたい方ならば、ボーカル抜きの音源が作ることが出来る。
リミックスをしたい方ならば、必要なパートだけ抜き出して、自分のアイディアを加えていくことが出来る。
勉強のために耳コピに挑戦されている方は、楽曲分析が捗ることになる。
そして、私のような立場ですと、昔のデモ音源のプロジェクトデータが開けなくなっても、なんとかブラッシュアップして再提出が出来るようになるとか…。
そもそも、このStem Splitterを活用して作られた作品が著作権や原盤権的にどうなのか…というのは議論を呼びそうですが、インディーズのコミュニティーでは広く活用されそうです。
Logic Pro 2とLogic Pro 11のリリースは5/13
日本時間5/7 23時に開催されたAppleイベントでは、「Logic Pro 2」として紹介されました。
既存ユーザーは無料で新機能が使えるとのことです。
5/13(米国時間)が楽しみですね!
【参考リンク】
MacRumors
https://www.macrumors.com/2024/05/07/apple-logic-pro-2
Logic Pro
https://www.apple.com/jp/logic-pro/