BTOパソコンやショップブランドパソコンが吉

メーカー製パソコンは、DTM/DAW用途に向かないと、「【Windows】DTM/DAW用パソコンの選び方第1回」で書きましたが、では、実際どのようなパソコンが良いのでしょうか?

それは、シンプルな構成で、性能重視のパソコンです。実は、そういったパソコンも売られています。

メーカー製パソコンより、確かに多機能とは呼べないし、最初から様々なソフトウェアが付属してくるわけでもないが、価格が安く、なおかつ性能も良いというパソコンは、現在、BTOパソコンやショップブランドパソコンと呼ばれています。
BTOパソコンの最大手は「DELL」です。
DELL製のパソコンは、基本的に通販での購入になりますが、購入時にユーザーの好きなようにパソコンの構成を選べるようになっているのが最大の特徴で、このことをビルドトゥオーダー(略してBTO)と呼んでいます。
例えば、パソコンの根本的な性能を決めるCPUを初期構成からグレードアップしたり、たくさんのソフトウェアシンセサイザーやプラグインエフェクトが使えるようにメモリをグレードアップしたり…、
ただし、一般的に3Dを使ったゲームの画面表示の滑らかさや早さで問われるビデオカードは、DTM/DAW用とにおいてはそれほど重要でないので、ダウングレードする。
ユーザーの好みによって、あらかじめ用意された選択肢の中からパソコンの構成を選び、不必要なところにお金をかけないといった価格的なメリットもあるBTOパソコンは、多くのユーザーから支持されているところですが、DTM/DAW用途においても多くのメリットがあります。
BTOパソコンで有名なところは他にもありますので、下記にリストアップしてみましょう。
他にも、「BTOパソコン」と検索をかけると、様々なお店なりメーカーがあることがわかりますので、一度調べてみてはいかがでしょうか。
BTOパソコンは、ユーザーが好きなようにカスタマイズしたパソコンを購入出来るのがメリットですし、そこそこの性能のものが、10万円前後で買えてしまうわけですが、どれを買えばよいかわからないという声もあるかと思いますので、デスクトップパソコンを例に、2013年3月現在での購入の目安を次にあげてみます。

DTM/DAW用途のBTOパソコン(デスクトップ)選びの目安

パソコンの大きさ/ミニタワーは避けておく

まず、デスクトップパソコンで言うと、パソコンの大きさに名前がついており、小さいものから「ミニタワー」「ミドルタワー」「フルタワー」と言った呼ばれ方をしています。
厳密に、何cm以上からがミドルタワーと言うといった規格はないようですが、パソコンの大きさが小さくなればなるほど、省スペースになるものの、一般的に拡張性は低くなっていきます。
DTM/DAWソフトウェアは、オーディオインターフェイスやMIDIインターフェイスといった外部音楽周辺機器と組み合わせて使用するのが一般的で、最近のエントリークラスのものは、USB接続のものが多いのですが、
プロスペックのものを使用する場合は、専用のサウンドカードを増設する必要があるため、ミニタワーなど省スペースパソコンでは対応出来ません。
後々のことを考えるのであれば、ミニタワータイプのデスクトップパソコンは選択しない方が良いでしょう。

CPUは、Intel Core i5プロセッサー搭載であること

CPUは、Intel Core i5プロセッサー搭載であること。
ちなみに、Core i5プロセッサーは、現在WindowsでもMacでも使われているCPUで、現状、価格と性能のバランスが一番とれていると言えます。
上位版で、Core i7というものがありますが、ここまで来ると、かなり十分な性能と言えるくらいとなります。
ちなみに、「Core i5とCore i7の違いは??」となると、パソコンの処理能力ギリギリいっぱいの状態のときの頑張りが違うという感じです。
具体的に言うと、DTM/DAWソフトでパソコンの処理能力ギリギリいっぱいの状態まで使うと、「ブチブチ」というノイズが入ったり、勝手に再生が止まってしまうという状態になります。
そういったときに、Core i5だとすぐ再生が止まってしまうが、Core i7だと、「ブチブチ」とノイズは入るものの、再生は止まらない…といった違いです。
普段使う分には、Core i5とCore i7では明確な違いは感じられないことが多いので、シビアな状況で使うプロ用途でなければ、Core i5で良いのではないかと考えています。
CPUの性能は、「2.8GHz」等の数字で表されています。これをクロック数と呼びますが、ただ単純に数字が高いほど高性能であり、値段も上がっていきます。
クロック数が一番高いものが良いに決まっていますが、クロック数が高いものは、少し上がっただけで値段が跳ね上がる傾向があり、価格上昇と性能の向上が見合わなくなってくるので、初心者においては、そこそこのものを選ぶのが一番妥当だと考えます。

メモリとHDDについて

メモリーは新品で購入する場合、ほとんど4GB or 8GB搭載されているでしょう。
現状はメモリーの増設は考えなくてよいと考えます。
ハードディスクは、回転数7200rpm以上のもので、容量は予算に応じて。
ハードディスクは、どれだけのデータを保存しておけるかが決まる重要なものですが、DTM/DAW用途において、一番重要なのは、回転数の早さになります。
ほとんどのDTM/DAWソフトウェアの推奨動作環境は、回転数7200rpm以上のハードディスクとなっています。回転数だけはチェックしておいて下さい。
ただ、現在、デスクトップパソコンに内蔵されているハードディスクは、ほとんど回転数7200rpmのものになっています。

SSDについて

近年では、HDDに変わる記憶媒体として、SSDが普及してきています。
SSDは、HDDよりも速度が早い等、様々なメリットがありますが、HDDよりも値段が高いというデメリットもあります。
Step One DTM School川崎元住吉教室では、2011年秋に自作したWindows PCがあるのですが、私は、OSやアプリケーションをインストールする「Cドライブ」のみをSSDにしています。
一般的に、パソコンに内蔵する大容量記憶媒体として全部SSDを使うというのは、デスクトップパソコンでは、まだまだ価格が跳ね上がるし、現実的ではないため、上位モデルでないと、SSDを搭載したパソコンはないと思われます。
SSDにWindows OSがインストールされているパソコンの特長は、何よりも起動時間の速さにあります。
短期間で楽曲を作り上げなければならないプロにとっては、この長い起動時間(HDDだと1分超え/SSDだと30〜50秒くらい)すらストレスになりますから、
SSDがすごく欲しくなるところなのですが、DTM初心者にとっては、予算次第で削っても良い部分かと私は考えています。