右手メロディー左手伴奏のクセ

Step One DTM School川崎元住吉教室には、小〜中学生までピアノ経験があり、鍵盤を弾くことは出来るが、アレンジでつまづくという方がかなりいらっしゃいます。

特に、こういった悩みを持つ方は女性に多いのですが、これは、あまりポピュラーピアノを学ぶ機会がないから…というような気がしています。
ピアノを子供の頃習っていたという方が弾き熟せるものは、大抵右手がメロディー、左手が伴奏という、バイエルなどに見られるアレンジ(…というと、語弊がありますが)です。
しかし、この右手メロディー、左手伴奏というクセが、アレンジを学ぶにあたってかなりの障害となります。

なぜならば、左手だけで弾き熟せるコードは、せいぜいトライアドコード(3和音)が限界。

特に、女性はそれほど手が大きいわけではありませんから、クローズドボイシングで「ドミソ(C)」や「シレソ(G)」、「ドファラ(F)」と左手で弾くことになります。
また、アレンジの基礎知識として、「ローインターバルリミット」という、これ以上低いところで和音を弾くと音が濁りますよ…というものがあります。
この「ローインターバルリミット」の意味をここで語りだすと、大変長くなりますので、本記事では割愛させていただきますが、
左手でクローズドボイシングでコードを弾くというのは、この「ローインターバルリミット」に引っかかりやすく、
クリアなサウンドが出しにくくなるということでもあり、あまり良いことではありません。
また、左手伴奏というクセをお持ちの方が作られる曲は、7th系コードが用いられることがほとんどありません。
なぜならば、左手で通常演奏する高さ(ヘ音記号に収まる高さ)でかつ、左手だけでクローズドボイシングで演奏すると、
7th系コードはあまりキレイに鳴らないことが多いため、例えば、CM7の存在は知っていても、「これの何が良いかわからないので使わない」ということになってしまっているからです。

これではもったいない!!

特に、子供の頃にピアノを習っていたという方は、大人になっても、作曲をするためのカンをお持ちですから、メロディーがスラスラ出来上がるのですし。

ここで、左手伴奏というクセをなくし、多様なコードを使いこなしたり、ピアノ以外の楽器にも応用出来るよう、
Step One DTM School川崎元住吉教室では、コード付け課題をアレンジレッスンのひとつの方法として使っています。

コード付け課題とは?

コード付け課題とは、与えられたメロディーにコードを付け、ピアノソロで演奏出来るようにアレンジするというのが目標の課題です。
このコード付け課題をご提案する方は以下のような方です。
  • コード理論を勉強した経験がある方
  • 鍵盤演奏が可能な方
  • 感覚的にコード付けがある程度可能な方(YAMAHAでピアノを習っていた方に多いです)
しかし、Step One DTM School川崎元住吉教室には、楽器演奏が苦手な方も多くいらっしゃいますので、
その他、コード理論をある程度勉強し終えてかつ、DTM/DAWソフトを使って打ち込みの出来る方にも、覚えたコード理論を実践するための課題として、
難易度の低い課題にコード付けだけでピアノアレンジは行わないというかたちで挑戦していただくこともあります。

当教室講師制作オリジナルコード付け課題を公開

コード付け課題24
コード付け課題24
コード付け課題24模範解答1コード付け課題24模範解答2
上記がコード付け課題です。
この課題は、かなり上達した段階でないと難しいものなのですが、何よりもお伝えしたいのは、
コード付け課題には、模範解答はあっても、絶対の正解がないという音楽ならではの面白さです。
コード理論を学ぶことにより、ある程度「音楽的」と呼ばれるコード付けやピアノアレンジを習得することが出来ますが、
それでもなお、1小節にコードを付けるとなっても、選択肢が2つや3つあることがざらです。
そして、複数ある選択肢からどのコードを選ぶのか…これは、もはやセンス以外の何者でもありません。
完全にメロディーに合わないコードを付ければ、それは確かに私もレッスンで修正させていただくのでしょうが、
「う〜ん…これも良いなぁ…」
と、もし、模範解答と違うアプローチであったとしても、理論的にも音楽的にも否定する理由がなければ、模範解答との違いを楽しむということになります。
コード付け課題は、そういった「絶対の正解がないのが作曲の面白さ」ということを体験させてくれる面白いレッスン課題です。
Step One DTM School川崎元住吉教室で、どうぞ「絶対の正解がないのが作曲の面白さ」をご体験下さい!!