私が好きなベース音源MODO BASSとTrilian

数あるエレキベース音源ですが、私が常日頃使っているのはMODO BASSとTrilianです

MODO BASSとTrilianともに「間違いないのないベース音源」と呼べるのですが、どちらを選ぶべきか悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、MODO BASSとTrilianを両方使っている私から見て、それぞれの特徴や使い分け方をご紹介いたします。

MODOBASSの良いところ

MODO BASSレビュー

弦を指定して演奏させることが可能

MODO BASSは、1弦から4弦まで弦を指定して演奏させることが可能です。

これのメリットは、B1といった3弦でも4弦でも演奏可能な音程で、4弦で指定して太い音を出すのか、3弦を指定してややスッキリした音を出すのかが、自分の好みに合わせて選べることにあります。

この機能はピック弾きでベースをやや下げ目に構えるプレイスタイルのベーシストをシミュレートしたい時や、スライドを4弦指定して打ち込むことも可能なので、非常に重宝します。

MODO BASSの使い方コントロール画面
キースイッチなど奏法シミュレートが設定表示出来るControl画面

スライド奏法が自然

MODO BASSは、物理モデリング音源と呼ばれます。

物理モデリング音源の特徴は、生楽器の発音構造や共鳴構造をコンピュータ上でいかに振動・共振するかをリアルタイムに演算し、音色をシュミレートして発音します。

それだけを聞くと「だから?」という話になってしまうと思いますし、かく言う私もそう思っていました。

MODO BASSは物理モデリングだからこそ、ジャズベースにピックアップはプレベのモノで、しかも、ピックアップの位置はブリッジから〇〇インチで…という楽しみ方も出来ます。

しかし、本職がキーボードの私から見れば、「確かにすごいとは思うけど…ピックアップの交換までギターベースに手が回らないっす」というのが本音

じゃあ、MODO BASSがTrilianに勝る部分って何か、それはスライド奏法が自然に出来ることだと思うのです。

スライド奏法は、その昔、ピッチベンドでやっていましたが、サンプリングされたベースの音の再生スピードを変えて、音程を上げたり下げたりしていたから、それはそれは非常に残念な結果になりました。

ピッチベンドは、音に質の悪いタイムストレッチをかけているのと同じで、音質は悪いし、そもそも本物のベースはそのような形でスライド奏法をしているわけではないから、DTMerが一番聴きたくない悪口「打ち込みクサイ」という印象に…。

また、Trilianにもスライド奏法はキースイッチで可能ですが、スライドのスピードを曲中で変えていくということもコントロールチェンジを割り当てれば不可能ではないものの、非常に面倒臭い。

スライド奏法のバリエーションが少ないため、返って打ち込みを凝れば凝るほど逆効果という印象を持っています。

MODO BASSのスライド奏法は、入力には基本的にピッチベンドを使いますが、サンプリング音源と違い、再生スピードを変えてピッチを上げたり下げたりしているのではなく、スライド奏法すらコンピューター上の演算で発音します。

これが非常に自然なため、諦めていたベースのスライド奏法を積極的に使えるようになったのが、私がMODO BASSを使う理由のひとつです。

ベースアンプシミュレーターとの相性が良い

個人的に手放せなくなったアンプシミュレータープラグインBIAS FX2

MODO BASSのプリセットは、Trilianに比べると大人しい音がします。

Trilianの方が派手な出音なので、第一印象はTrilianの勝ちと思われる方も多いかと思いますが、MODO BASSはアンプシミュレーターをかませると、なぜかオケ中で埋もれない太い音がするのです。

なお、その際、MODO BASSの内臓アンプシミュレーターを切るべきかどうかという議論になりますが、個人的には、時と場合によると考えているものの、D.I.の音をメインに使った方が良い結果になることが多いと考えています。

MODO BASSのエフェクト設定画面で音作り可能
MODO BASSには同社Amplitube譲りのアンプシミュレーターが内臓されているが、AMPの音とD.I.の音のバランスを好みで調整可能

逆にTrilianに対してもベースアンプシミュレーターをかますことも試してみますが、「歪みに歪みを加えると音が痩せてしまう」というセオリー通り、良い結果にならないことの方が多いと思っているため、TrilianはTrilianの中で音作りを行った方が良いように思います。

次ページでは、Trilianの良いところをご紹介します。

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