12/8にリリースされたTokyo Scoring Strings

最初は様子を見ようと思っていましたが、黒金2021期間中に長年愛用していたLA Scoring Stringsが3にバージョンアップしたとこのことで、もはやLASS教に入信してしまっている私は勢いで購入してしまい、そうなるとTokyo Scoring Stringsも買ってしまえと…

そろそろ今年こそ買ってみるか…と思っていた大人気Spitfire Chamber Stringsはどこ行った??状態になってしまいました。

私がSpitfireをあまり多く購入してこなかった理由は、「音が小さい」「遠い」だけど「キレイ」というLA Scoring Stringsと真逆の方向性であること。

また、当教室のレッスンにおいてもSpitfire Chamber Stringsをお使いの生徒さんはAudioとMIDIをセットでお持ち込みいただくことをお願いしても問題ないDTM中〜上級者〜プロの方であることから、今年も私はSpitfire Chamber Stringsの購入を見送ることになったのでした。

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Spitfire Chamber Stringsの代わりに手に入れることになったTokyo Scoring Stringsですが、公式デモを聴いても魅力的なサウンド。

そもそも私たち日本人が、世界的に見ても独特な音楽文化を持つJ-Popを作るのに、なぜ日本の素晴らしいプレーヤーのサウンドを使わず、日本と雰囲気が違うアメリカやイギリスのストリングスサウンドを使うんだろうか…というのもあるわけです。

私自身、劇伴のお仕事でストリングスプレーヤーの皆様のお世話になってきましたが、良い意味で日本には日本の良さがありますし、東京音大在学中の記憶がなぜか蘇る音…Tokyo Scoring Stringsの公式デモにその日本のトッププレーヤーの素晴らしさをすごく感じたのです。

これがパソコン1台で扱えるなんて…日本のストリングスに注目してくださった開発の方々に感謝ですね。

といっても、あくまでTokyo Scoring Stringsはソフト音源です。

音が良くても使い勝手が悪ければ、時間ないので使うのやめておこう…なんてことにもなりかねない…。

それだけが不安でしたが、結果、見切り発車で予約購入して良かったと思います。

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ストリングス音源に私が期待すること

ストリングス音源は、キースイッチでの奏法切り替えやCC1でのエクスプレッションのコントロールをやらないと、どんなに素晴らしいポテンシャルを持っている製品でもクオリティーが上がりません。

特に私が重視するのは、以下のポイントです。

キースイッチでの奏法切り替えがスムーズに出来るか

あまり使い勝手の良くないソフト音源は、細かなキースイッチ入力についていけなくて、思った通りに再生されないことがあります。

そうなると、数ティック前にキースイッチを入力することになり、非常に面倒なことになってしまいます。

私は、Cubaseユーザーということもあり、自分の理想のニュアンスを求めてVST Expressionでどんどん奏法を切り替えていくため、「そこはスタッカートなのにレガートで再生されちゃう…」という音源は厳しいなと思っています。

そんなソフト音源ないだろ…って思うかもしれないですが、案外あるんですよね…

VST Expressionを使って細かく奏法をコントロール。私の場合は、1音1音違う奏法を割り当てることもザラにあるキースイッチマニア。

CC1とベロシティーの反応が感覚的に掴みやすいか

ストリングス音源の大半はCC1 モジュレーションを使ってエクスプレッションを入力します。

このとき、あまり数字を気にせず、絵的にこれくらいでこの強さ…なんていうフィーリングで入力するため、CC1で段階的にクレッシェンドするときに音量や強弱がガタガタになったり、上げても下げても表情がつかないというのは厳しいと思っています。

ソフト音源によってCC1=100のときの音量だったり演奏のテンションは違って当たり前なのですが、自分のフィーリングに合うかどうかが大切

その点、LA Scoring Strings2.5にしても3にしても、CC1の反応具合をベロシティータッチセンティブと同様にエディット出来たりもしますが、面倒なカスタマイズをしなくても使いこなせそうな素性の良さはTokyo Scoring Stringsにも持っていて欲しいな…と思っていました。

CCの書き込みが感覚的に行えるのがCubaseの強みだと思っている
CCの書き込みが感覚的に行えるのがCubaseの強みだと思っている

また、ストリングス音源のレガートパッチなどサスティン系パッチはベロシティーで強弱が変化する仕様になっていないことも多いですが、ベロシティーで変化する場合、Viennaはキーボーディストのフィーリングと違う反応をしたりするので、リアルタイム入力する気を失くす…これが作業効率を落とす要因になります。

LASSはその点、CC1でコントロールしてねっていう仕様であるし、普通にキーボードで演奏しても違和感のある音源ではないので、気に入っていました。

Tokyo Scoring Strings VS LA Scoring Strings3

サウンドの違いは動画にて

サウンドの違いについては、比較検証動画を作りました。

同じ曲、キースイッチ以外のMIDIデータも同一にすることで、Tokyo Scoring StringsとLA Scoring Strings3の個性が掴めるかなと考えた結果です。

正直、甲乙付け難いクオリティーで、逆に海外に負けないストリングス音源Tokyo Scoring Stringsを作ってくれてありがとうと言いたいくらい(?)

こればっかりは、使う人がストリングス音源にどんなことを求めているかで、Tokyo Scoring StringsとLA Scoring Strings3の良し悪しを決めれば良いんじゃないかと思います。

私自身、Tokyo Scoring StringsとLA Scoring Strings3は使い分けるという発想でいます。

混ぜるというのは、クライアントにLASSのみで「これ打ち込みっすか??」と言われたことを密かな自慢にしているような小さい人間であることと(笑)、MIDIプログラミングの手間が2倍になるので個人的に2音源混ぜを積極的にやりたいと思わない方ですが、双方ともしっかりラインが出るタイプなので、混ぜるならSpitfireの音源と混ぜる方が効果は大きそうな気がします。

過去1回だけLASSの音をクライアントが好まずViennaを混ぜて対応したことがありますが、私はキースイッチの手間は惜しまないのに、混ぜる手間は惜しむような変な人間です

使い勝手は両方とも良い

まずお断り書きしたいのは、DTM初心者の方がステップアップを目指して初めてストリングス音源を購入される場合、ベロシティーやCCをコントロールする習慣がないと、なかなか理想の音が出ないというジレンマにぶつかってしまいます。

その点において、Tokyo Scoring StringsもLA Scoring Strings3も、当教室にお越しの受講者様を基準に考えると、DTM中級者以上のスキルを身につけていくことは必要になると思います。

ただ、初めてストリングス音源として、Tokyo Scoring StringsもLA Scoring Strings3のどちらを購入されても、双方とも使いこなしにめちゃくちゃクセがあるわけでもないので、当教室のレッスンの中で自然とどなたでも身につけていけそうな気がします。

なお、私の中でのソフト音源としてのスペックを比較した場合でも評価は拮抗します。

Tokyo Scoring StringsLA Scoring Strings3
キースイッチの反応問題なし問題なし
アタックの速さ早い早い
リリースの長さ普通長い
CC1の反応普通強め
レイテンシー1,000ms(実質215msだった)40ms または 440ms
メモリの消費量大きい大きい
私基準のストリングス音源に求めるスペック比較表(スマホは横スクロールでご覧ください)

Tokyo Scoring StringsとLA Scoring Strings3のマニアックかつ個人的な比較の詳細は次のページでご紹介します。

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