UAD Sound City Studiosは、ニルヴァーナやメタリカなど、著名なロックミュージシャンがレコーディングで使用した有名スタジオの音が再現出来るプラグインです。
UAD Sound City Studiosは、ルームリバーブプラグインにカテゴライズされますが、EQ、コンプ、チェンバーリバーブの機能も持つことが特徴です。つまり、Sound City Studioの部屋の響きだけはなく、スタジオにある機材でレコーディングした音そのものをシミュレート出来ます。
UAD Sound City Studiosをボーカルミックスに使った場合の設定例
UAD Sound City Studiosをボーカルに使った例をご紹介します。
元の状態
ボーカルにUAD Sound City Studiosを使用
1.SOUCEからVOCAL→Soloを選択する
2.使用するマイクは「U67」と「KM84」を選択する
3.各マイクの調整をする
ミキサー画面を表示させたあと…
- Close2マイクとRoomマイクのDistanceをFIXEDに設定
- Close2マイクのボリュームを0dbに設定
- Roomマイクのボリュームを-30dbに設定
- Masterボリュームを+5dbに設定
4.エフェクト画面を表示させる
5.EQを設定
- High
- Gain…+1
- Freq…10k
- MID
- Gain…-2
- Freq…350
- Low
- 何もしない
6.DYNAMICS(コンプレッサー)を設定
- コンプレッサーのタイプ…ENCODE
- AMOUNT…11時
- MIX…Wet
- SC LINK,SC FILTER…何もしない
7.CHAMBER(リバーブ)を設定
- MICS…R121
- AMOUNT…12時
- DECAY…SHORT
- PREDELAY…50ms
- WIDTH…100
UAD Sound City Studiosを使うべき人と使うべきでない人とは?
UAD Sound City Studiosは、あのアメリカンサウンドが日本にいながら手に入れられるところに夢がありますが、気をつけたいのがSound City Studioはアメリカのロサンゼルスにあるスタジオ。
日本のサウンドシティスタジオとは別物です。
つまり、J-Popを作る方からすると合う/合わないがハッキリ分かれてしまうプラグインですので、ご自分の音楽性に合っているかどうかは慎重に検討して使いましょう。
そのため、ニルヴァーナやメタリカをご存知でない方はぜひ1度聴いていただけたらと思います。
「ニルヴァーナって誰?」という方は
Smells Like Teen Spritはニルヴァーナの代表曲です。ぜひ聴いてみてください。
「メタリカって誰?」っていう方は
Enter Sandmanはメタリカの人気曲です。ぜひ聴いてみてください。
UAD Sound City Studiosを使うべき方
- ニルヴァーナやメタリカが好きな方
- 音数少なめのアレンジをよくする方
UAD Sound City Studiosを使うべきではない方
- ロックを作らない方
- 隙間なく音を詰め込むアレンジ/音数の多いアレンジをよくする方
UAD Sound City Studiosの総評
UAD Sound City Studiosは、ルームアンビエンスをシミュレート出来るプラグインのため、音と音の隙間を響きで埋めることによって、全体的に音の馴染みを良くする効果が期待出来ます。
また、音数が少ない楽曲ほど音と音の隙間を上手に空間系で埋めることが重要です。なぜならば、ミックスでうまく音をまとめきれなければ、音を隙間なく詰め込むアレンジよりもリスナーにショボいという印象を与えてしまいがちだからです。
「音数が少ない=ショボい」ではなく、「音数が少ない=各パートのディティールを聴かせられる」という、音数が少ない音楽だからこその魅力をリスナーに伝えるためには、各トラックの音の作り込みが大切です。
ただ、一般的なリバーブでなかなか自然なルームアンビエンスを得るのは難しいし、どうしてもわざとらしい響きになってしまいます。
UAD Sound City Studiosは、一般的なリバーブプラグインでは得られないアンビコントロールが自由自在に可能で、マイクの指向性からマイクポジションまで非常に細かな調整が出来るのが魅力ですので、本記事でご紹介したセッティング例がご参考になれば幸いです。