DTM中上級者がAppleシリコン M1やM1X(M1 Pro,M1 Maxが10/19に発表)のその高い性能を安心して使えない問題。
その問題が解決に向かっていくことが期待されるニュースが出てきました。
WavesがV13にメジャーアップデートでM1やM1Pro & Max Macに対応
Waves V13プラグインはM1互換のDAWが動作するApple M1コンピューターを完全かつ公式にサポート。Microsoft Windows 11オペレーティングシステムにも完全に対応します。さらに、Waves V13のアップデートでは、一部のプラグインにHiDPIグラフィックスが追加され改善されました。
Waves公式日本語サイトより
Wavesは、今となれば高品位で高コスパという定番のプラグインメーカー。
しかし、インストールやアップデート、OSの互換問題など、何か問題が起きると大変なことになるクセのあるプラグインとも個人的に考えており、当教室にお越しの受講者さまからもよく「インストールしたけどうまく動かない」というご相談をいただくことが多いです。
そのため、仮にRosetta2で無理やり動いたとしても、メーカー公式で非対応と言っている状況では業務レベルで使うことはとてもとても…と思っていましたし、正直対応にもっと時間がかかると思っていました。
2021年10月19日AM2:00に開催がアナウンスされたアップルイベント(M1 Pro & Max MacBook Pro 14/16インチ発表の可能性あり)前に、WavesがM1やM1X(M1 Pro,M1 Maxが10/19に発表)に対応してきたのは嬉しいニュースですね。
Waves V13アップデートの注意点
本記事執筆時点での日本語版WavesサイトのV13のアナウンスページでは、大雑把にしか書かれておらず、実際どのDAWで動くのかなどについては英語版のWavesサイトを参照する必要があります。
以下に英語でアナウンスされている内容を記載します。
Waves V13が使えるApple M1と互換性のあるDTM,DAWソフトウェア
- Logic Pro 10.6.3 (in ARM64 mode)
- FL Studio 20.8.4.2048
- Studio One 5.4
- REAPER 6.35 for ARM
- Bitwig Studio 4.0.2
- Garage Band 3.5.3
- Mainstage 3.5.3
- Adobe Premiere Pro 2021 15.4.1
Waves V13が使えるApple Rosetta2で動作するDTM,DAWソフト(Apple M1を正式サポートしていない)
- Pro Tools 2020.12 / 2021.7
- Ableton Live 10 / 11
- Reason 11
- Digital Performer
- Adobe Audition 2020
これらのDAWは、AppleM1プロセッサの公式サポートをまだ発表していません。ただし、Waves V13およびV12プラグインは、これらのDAWがApple Rosetta2エミュレーター環境で実行されているときにロードおよび動作することがわかりました。それでも、これは公式のサポートを構成するものではなく、Waves TechSupportは技術的な問題のトラブルシューティングを行うことができません。
ReWire、H-Reverb、IR-1プラグインについての例外
これらのプラグインのReWireソフトウェアプロトコルは、AppleM1プロセッサでは機能しません。Apple Rosetta 2環境で実行している場合、H-ReverbおよびIR-1はグラフィック表示に問題が起きます。
CubaseユーザーはまだまだM1とM1 Pro & Max Macの恩恵を預かれない!?
私がメインで使用しているSteinberg Cubaseですが、本記事執筆時点でAppleシリコンM1とM1 Pro、M1 MaxについてはApple Rosetta 2での対応が発表されています。
しかし、今回のWaves V13アップデートの詳細を見てみると、Cubaseでの動作について確認しているのかどうか記述がありません。
メインの環境として使うのはまだまだ様子を見なければならないと考えているものの、2021年10月19日AM2:00に開催がアナウンスされたアップルイベントで発表されるであろうMacBook Pro 14/16インチを購入してそろそろ使ってみたいな…なんて思っている私にとっては、Wavesの更なる情報公開に期待したいところです。
まとめ
業務レベルでDTM・DAWを使っている場合、今使っているIntel Macたちが故障してしまい買い替えを迫られたとしたら、残念ながらディスコンが決まっているIntel Macを泣く泣く買うしかない…という状況が続いてしまっています。
前回のPowerMacからIntel Macの移行の際、私は結局Intel Macが発売されてから2年後に移行しました。2年も経てば特に不具合もなく、あっさり移行できたことを覚えています。
現状のIntel MacからAppleシリコンMacへのアーキテクチャ移行の過渡期に一生懸命移行するのもそれはそれで楽しい面もあるかもしれませんが、私にとっては、よくわからないトラブルが発生するのをひたすらググって解決するコストがすごくしんどいので、私はこういった環境移行にはかなり長めのバッファーを取るようにしています。
しかし、今回のWavesのAppleシリコン対応は個人的に案外早かったな…と思っており、高パフォーマンスと高コスパを叩き出しているAppleシリコン環境で音楽制作環境を整えられる日はそう遠くないのかなと期待しています。
何よりもAppleファンとしては、2021年10月19日AM2:00に開催がアナウンスされたアップルイベントが何よりも待ち遠しいですね。